11.乾 × 海 堂



せんぱい、という4文字を紡ぐそのやわらかな口唇に言いようのない愛おしさを覚えたのはいつの日か。


「触ってもいいかな」


一瞬戸惑ったような顔をして、彼は頷いた。肩を抱き寄せ、頬をゆるゆると撫でてやると気持ち良さそうに目を閉じ、俺の腕に抵抗もなく包まれる。


「キスしていい?」


返答が無いのは肯定と受け止め、その口唇に軽い口吻を落とした。


「海堂」

「何すか」

「好きだよ」

「知ってます」

「ありがとう」


俺達は幸せだ。君が、恋しい。海堂。薫。



(乾S3勝利アニメ=乾海アニメでテンション上がりまくりのときにNARUTO見ながら2分で書いた



12.芥 川 × 跡 部 × 千 石



ひらひらはらはらふるふるふるり、ふらふらひらひらはらはらり。


「桜が咲くよ」

「うん、きれいだねぇ」


おれたちは同じひとつの花を眺め、ひとつの花を愛でた。おれたちの恋を人は不幸と呼び、顔をしかめ、目を背けた。それでもおれたちはそれを愛さずにはいられない、なぜならおれたちはいちどしかない十代の真っ只中を生きている青少年で、同じ恋するおとこのこだからだ。


ひらひらはらはらふるふるふるり、ふらふらひらひらはらはらり。


「桜が散るよ」

「うん、きれいだねぇ」


「今は冬だ」


桜が。


おれたちは同じひとつの花を眺め、ひとつの花を愛でた。おれたちの恋を人は不幸と呼び、顔をしかめ、目を、



(わかりにくい



13.神 尾 × 伊 武



「シンジきれい」


コートに寝転がったシンジに熱っぽく囁いて、その形の良い鼻からだらだらと溢れ出る血を舐め取ってやる。整った顔に拒絶という二文字を浮かべながらも、上級生の拳が与えた痛みのせいで起き上がることもできないシンジは、まな板の魚よろしく俺の成されるがままぴくりとも動こうとしない。


「シンジきれい」


その甘みで舌の先からとろけてしまう。


「シンジきれい」


泣きそうだ。


きっとこれ以上に彼を表す言葉などありはしない。例え俺はシンジが野っぱらで惨めに腐乱して鼻がもげるほどに悪臭を放っていたとしても、例えその体がかたくて白いただの骨になってしまったとしても、こうして彼を愛で続けるだろう、シンジきれい、きれい、きれい。



(カミイブと鼻血ばんざい、いつか続編を



14.桃 城 × 海 堂



「…てめぇふざけんな」

「アァ?何か文句あんのかマムシ」

「ぜってー殺す!」

「そんな度胸ねぇくせに」


海堂が俺の胸倉を掴んだ。
殴られる、条件反射で目を閉じたが頬に拳の衝撃が来ることは無く、代わりに噛み付くようなキスがきた。呆然とする俺を突き飛ばし、背中を向ける海堂。


「反則だ」


地面に向かって唾を吐く。


「反則だろ」


ああ海堂、俺はお前なんかいらねぇよ、俺はお前なんかほんの少しだって愛しちゃいねぇよ、ほんの少しだっていとしくなんか。



(スタンダード




15.真 田 × 幸 村



瞬間触れたその口唇は、白い天井を眺めながら何度も思い描いたそれよりもずっとやわらかで、せつないほどにしあわせだった。


「死なないよ」


大きなふたつのてのひらをこわれもののようにそっと包み、自分と彼の左胸に当てる。


「聞こえる?」


頷く彼に、いつものような威厳はまるで感じられない。


「死なないから」


ゆきむら、と呼ぶ低い声がひどく震えているのに、僕は彼を抱き締めることさえもできない。背中のベッドが、腕の点滴が、ひどく憎らしい。


「苦労かける」


どく、どく、どく、どく、僕は生きている、彼は生きている、だってほら、彼の生きるこの世界はこんなにも美しいし、僕の微笑むこの世界はこんなにもやさしくてあたたかじゃないか。



(アニメやばい






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